2015年6月18日木曜日

明朝体とマスター



白地に黒の明朝体で、余白多めの縦書きの「カレーライス ディラン」の看板は、御茶ノ水でにぎやかにひしめく看板の中で目を惹く。

細長い店内は、いつもお客さんが多い。今日入ったらちょうど1席だけ空いていた。
マトンとチキンのハーフ盛りのカレーを食べた。
肉がゴロゴロ入っているのにさらりとして重くないし、付け合わせのキャベツの和え物やテーブルに置かれたセルフサービスのアチャール(ピクルス)も美味しい。

1人で切り盛りしているヒョロッと首が長いお店の男性は、ずっと難しそうな顔をしている。
少しも口角を上げないけど、決して感じが悪いわけではない。
外の明朝体の看板の佇まいと重なる感じがする。

周りの飲食店は看板から「いらっしゃいませ」とか「どうぞどうぞ」とか賑やかで大きな声が聞こえてくる感じがするけど、ディランは看板から寡黙で実直な雰囲気なのだ。


もう何回か行って、1回くらいお店の人の口角がキュっと上がったり、目尻が下がったりするのが見られたらちょっと嬉しいかもと思う。

                        (御茶ノ水/ディラン)